カルチャーショック 〜金銭的な価値観の違い〜

 

 

イギリスに来て、最初のカルチャーショックはイギリスに関するものではなく、他の国の方に関連することでした。

 

前の記事でも話した通り、私は海外看護師グループの一人として参加しており、最初の6週間は研修があって、彼らと過ごさなければなりませんでした。

 

と言っても、完全には輪の中には入り込めませんでしたけど。

 

最初の1ヶ月で、個人的に衝撃だったことがあります。

 

 

まず、到着から2週間くらい経った頃、スーパーから帰ってきたところに声をかけられます。

 

挨拶をすると、「研修で使う資料をこの前、取り忘れてたから持ってきてあげた。」といい、その瞬間は資料を届けに来てくれて、親切にありがとうと思っていると、次に出た言葉は「£10貸してくれない?」でした。

 

「えっ」

 

まだ会って間もないし、私あなたのことよく知らないし。

 

渡英の初期費用などは雇用先がかなりサポートしてくれて、最初の3ヶ月の滞在費、航空券代は出してもらっていました。更に、研修中の身でありながらアシスタントと同等の給料が入ったばかりだったんです。

 

それで、もうお金貸してってどういうこと?

 

迷うことなく断りました。

 

グループメンバーはインドとアフリカから来た人が大半。

 

やはり金銭的な目的で来ている方が多いようで、「日本って発展途上国だっけ?」「イギリスと給料同じくらいならなんで来たの?」と聞かれることが多く、かなり警戒心を持っていました。

 

お金持ってると思われたらどうしよう。

 

だから、たかが£10でも1度貸してしまうと次から次へとたかられるのではないかと考えました。

 

たとえ貸したとして返ってくる保証はない。

 

なので断りました。

 

 

2つ目もお金に関することですが、

びっくりしたのは、誰一人クレジットカードなどのカードを持っていなかったこと。

 

渡英前からイギリスはカード社会だからと準備してきました。

 

一緒に買い物する機会はほとんどなかったんですが、ある時、気付いてしまい、またまた、警戒心スイッチが入りました。

 

お金持ってるって思われたらどうしよう、と。

 

 

私自身、そんなに海外経験が多いわけでないですし、海外に行けば日本人はカモにされるみたいな話も聞くので、単純に怖かったです。

 

とにかく目立たないようにと地味に生活していました。

 

 

驚いたのが、彼らのお金の貸し借りというハードルがすごく低いこと。

 

 

これは、しばらくしてからの話ですが、たまたま居合わせて話を聞いてしまいました。

 

ある時アフリカ人のナースが夫をイギリスに連れて来るということでお金をかなり使ってしまったらしく、手元に残りがなくなったそうです。母国の現金はあったようですが、ちょうど祝日で換金ができず、買い物ができないとインド人の友達に電話をしていました。そこで、お金を貸して欲しいという話になったようなのですが、£100(当時のレートで約16000円くらいでしょうか)ほどポーンと貸してしまうのです。

 

£100貸してと言う方も凄いなと思ったのですが、私の感覚なら貸してとお願いしても3000円くらいではないのかなという思いでした。申し訳ないという気持ちも添えて。

 

なんの遠慮もなく言えるのは凄いなと思いました。

 

貸す方も返って来ない心配はないのかな。

 

まぁその二人はお互いに凄く信頼し合ってたのかもしれませんが。

 

お金の貸し借りなんていつどんなトラブルに発展するかわからないのに怖くないのでしょうか。。

 

 

 

これって日本的な考えでしょうか?

 

それとも私の心が狭すぎるでしょうか?

 

私自身も金銭的な余裕があったわけではないので、警戒心を抱かずにはいられない経験でした。